ジムの現場を任せる相手と、開業前に何を話しておくか。
私が確認したかったのは、指導の技術や経歴だけではありません。誰に、どのような場所を提供したいのか。そのイメージが重なるかどうかでした。
今回は、公募でトレーナーを選んだ話ではありません。以前から指導を受けていた相手と、一緒にジムを始めるまでの記録です。実際の接客を知っていたことに加え、市場調査から私が考えたジム像と、相手が現場経験から描いたジム像が重なったことが、一緒に進めたいと思う理由になりました。
ただ、コンセプトを共有できた一方で、営業日や予約枠などの具体化は後手に回りました。事前の対話で役立ったことと、もう一歩詰めておけばよかったことを振り返ります。
指導を受ける中で、人柄と一人ひとりへの対応を見ていた
一緒に開業したトレーナーには、私自身が指導を受けていた時期がありました。
明るく元気で、励ましながらやる気を引き出してくれるタイプです。私にとっては、トレーニングに前向きに取り組みやすい接し方でした。
短い時間で十分にトレーニングできるのか、最初は気になっていました。私はある程度しっかり体を動かしたかったのですが、実際に受けると、限られた時間でも十分に取り組めたと感じました。
また、私だけでなく、ほかの方にもそれぞれの目的に合わせたメニューを組んでいました。全員に同じことをしてもらうのではなく、その人に合わせて指導する様子を見ていたことも、判断材料になりました。
指導経験に加えて、店舗の立ち上げや、その後の運営を経験していたことも心強く感じていました。
経歴の説明だけで判断したのではなく、自分がサービスを受ける中で、人柄や接客姿勢、指導の様子を知っていた。それが、一緒にやりたいと思う出発点でした。
市場調査で考えたジム像と、現場から描いたジム像が重なった
開業に向けて、私は市場や競合を調べ、自分たちのジムをどこに位置づけるかを考えていました。どのような人を対象にし、何を提供するのかを整理するためです。
当時、届けたいと考えたのは、運動を定期的に続けたいけれど、これまで続かなかった人でした。
短期間で大きな成果を目指すような取り組みには身構えてしまう。一対一のパーソナルトレーニングにも緊張する。それでも、やり方を教わりながら運動を続けたい。そうした人にとって、少人数で指導を受けられるセミパーソナルという形に意味があるのではないかと考えていました。
これは、当時の私たちの仮説です。市場全体がその方向へ動いていると確認できたわけではありません。
その検討を進める中で、トレーナーにも、どのようなジムをイメージしているか尋ねました。
すると、私が調査を通じて考えていた内容と、ほぼ一致していました。
私の側には、市場調査や競合比較から組み立てた考えがありました。一方、トレーナーの側には、これまで業界の現場で感じてきたことがありました。異なるところから考えた二人のイメージが重なったことに、手応えを感じました。
もちろん、二人の考えが一致しただけで、事業がうまくいくと決まるわけではありません。それでも、誰のために、どのようなジムをつくるのかを共有できたことは、準備を一緒に進めるうえで大きかったと思います。
目指す姿だけでなく、不安も聞いた
ジム像の話に加えて、自分でジムをつくる場合に何が不安かも確認しました。
トレーナーが挙げたのは、集客でした。
そこで、店舗運営はトレーナーにお願いし、集客は私が受け持つという分担になりました。私が市場や広告を考え、トレーナーには来てくださった方への指導や現場の運営を担ってもらう形です。
目指す場所が同じでも、相手が何に不安を感じているかまでは、聞いてみないと分かりません。やりたいことだけでなく、不安も確認したことで、役割を整理する話につながりました。
その後、裁量や報酬、日常の店舗管理をどう契約に落とし込んだかは、トレーナーとの業務委託契約で役割分担を整理した記事にまとめています。今回は、その前段階で、お互いの考えを確認した話です。
毎週の対話が、物件決定後の準備を進める土台になった
コンセプトを検討していた時期は、ほぼ毎週ミーティングをしていました。
その中で話ができていたため、物件探しや開業準備も、比較的スムーズに進められたと感じています。物件が決まってから開業までは、二か月足らずでした。
準備の速さを、事前の対話だけの成果だとは言い切れません。ただ、物件が決まった後に、どのようなジムをつくるかを一から考え直す必要がなかったことは、動きやすさにつながったと思います。
振り返ると、先にコンセプトやイメージをすり合わせていた分、物件探しに時間を使えた面もありました。
物件そのものの比較については、店舗物件選びにChatGPTを使った記事で、評価の点数よりも中身を見て判断した経緯を紹介しています。
営業日や予約枠は、誰が案をつくるかまで決めればよかった
一方で、十分に詰められていなかったこともあります。
営業日、営業時間、トレーニングの予約枠をどう組むか。こうした具体的な運営条件を決めるのは、やや後手になりました。
私は、トレーナーにドラフトを考えてもらいたかったのですが、その依頼を明確にしていませんでした。そこは自分の進め方の反省点です。
目指すジムのイメージが一致していることと、開業までに必要な項目が決まっていることは、別でした。
次に同じ準備をするなら、方向性を話し合うだけでなく、未決定の項目について、誰が案をつくり、いつ確認するかまで決めておきたいと思います。
一緒に始める前に、三つのことを確かめたい
今回の経験から、私が確認してよかったと思うことと、もう一歩詰めたかったことは、次の三つです。
- 誰に、どのような場所やサービスを届けたいのか
- 相手は何を不安に感じ、それをどう分担して担うのか
- 営業日や予約枠など、具体案が必要な項目を誰が準備するのか
これは、採用や共同事業の成否を保証する基準ではありません。以前から指導を受けていた相手と、小さなジムを始めた私の経験から整理したものです。
一緒にやりたいと思えることは出発点でした。その気持ちを、目指す姿、不安、具体的な準備へと落として話せたことが、開業へ進む土台になったと感じています。
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共有した方向性を、契約上の役割や裁量へどう落とし込んだかは、次の記事にまとめています。
コンセプトを踏まえて、候補物件を同じ基準で比較した過程はこちらです。



