#24 店舗開業の予約・決済・会計をどう整えたか|固定費と手作業を分けて考えた構成

予約カレンダーのタブレット、決済用カード、帳簿と電卓で店舗システムの構成を表したイメージ 店舗運営・ツール

店舗を開業するとき、予約、会費の回収、会計をどう揃えるか。すべてを一つのサービスにまとめるか、必要なものを組み合わせるかで迷いました。

私が選んだのは、入会手続きと会費回収を会費ペイ、予約・利用回数の管理を自作システム、会計をfreee会計に分ける構成です。

月々の固定費を抑えられる一方、会員情報をCSVで受け渡す作業と、予約システムの保守は自分で担います。安く契約できれば、それで完成というわけではありませんでした。

この記事では、小規模なジムの開業準備で、何をどの仕組みに任せ、どこを人が確認することにしたかを整理します。自作をすべての店舗に勧める話ではなく、費用と運用負担を比較するための一例です。

最初に、必要な仕事を三つに分けた

私の店舗で必要だった仕事は、大きく分けると次の三つです。

必要な仕事選んだ仕組み担当させた範囲
入会手続き・会費回収会費ペイ入会申込み、支払方法の登録、会費の請求・回収
予約・利用回数の管理自作の予約システム予約枠、複数人の予約、利用回数、キャンセル待ちなど
会計freee会計連携先からの取引情報の取り込み、記帳、月次の数字の確認

表では分かれていますが、実際の仕事はつながっています。

入会した人が、契約したプランに応じて予約できるようになる。会費の情報は会計へつなぎ、月ごとの売上や費用を確認する。プラン変更や休会があれば、会費と予約の両方へ反映する必要があります。

ツールを三つ用意するだけでなく、その間で誰が何をするかまで決めることが必要でした。

一体型の便利さより、立ち上げ期の固定費を優先した

予約や決済、会員管理をまとめて扱えるサービスも検討しました。

ただ、私が想定する予約件数や必要機能で選ぶと、月額料金が数万円規模になる候補がありました。一方で、多機能でも自分の小さな店舗では使い切れない部分があります。会計ソフトの契約は、別に必要でした。

これは、既製サービスの価値が低いという意味ではありません。機能の連携、サポート、保守まで任せられることには価値があります。

それでも、立ち上げ期の私が重視したのは、売上が十分に育つ前から発生する固定費を抑えることでした。市場に長く居続けるために、削減できる支出は削減しておきたかったのです。

最終的な予約システムを自作する前には、外注も経験しています。予約システムを外注したものの本番で使わなかった経緯は、別の記事で紹介しています。

月額の支払いと、自分が担う作業は分けて考える

自作システムを公開する基盤にはVercelを使っています。HP・LPと予約システムで共用しているため、予約システムだけのために支払っている費用ではありません。

この公開基盤と、年払いの会計ソフトを合わせた固定費は、月額換算で6,000円前後という規模です。会費ペイには月額固定費がなく、これとは別に、決済額や請求件数などに応じた手数料が発生します。

この金額には、自分の開発・保守時間や、CSVを取り込む作業の対価は含んでいません。すべての運営費用を合計したものでもありません。

また、決済手数料が常に他社より安いと確認できたわけではありません。料率だけでなく、1件当たりの手数料、月額料金、必要な機能、契約条件を合わせて比べる必要があります。

サービス料金は変わるため、導入時には会費ペイの公式料金やfreee会計の個人向け料金プランを確認してください。

私が抑えられたのは、主に毎月支払う固定費です。その代わりに何を自分で引き受けたかも、同時に見る必要があります。

会費ペイと予約システムは、CSVでつないでいる

会費ペイで入会申込みが行われても、それだけで予約システムへの反映がすべて自動で終わるわけではありません。

私の運用では、次のように情報を受け渡します。

  1. 会費ペイから会員情報のCSVファイルをダウンロードする。
  2. そのCSVを予約システムへ取り込む。
  3. 新規会員やプランなどの情報が更新される。
  4. 在籍となった会員に、契約プランに応じた予約回数が付与される。

CSVは、会員情報を受け渡すためのファイルです。ダウンロードと取り込みは手作業になります。

プラン変更・休会・退会の申請は、予約システムから受け付けられるようにしています。ただし、申請を受けた後は、私が会費ペイ側で必要な変更を行い、その情報を再びCSVで予約システムへ反映します。

つまり、予約システムへ申請しただけで、会費ペイ側の手続きも自動で完了する仕組みではありません。

機能を分けると、このような境目の作業が残ります。ここを曖昧にしたまま「連携できる」と考えないことが大切でした。

予約は、受付だけでなく利用回数やキャンセル待ちまで考えた

私の店舗では、一つの予約枠に複数人が入ります。会員ごとに利用できる回数が違い、満席時にはキャンセル待ちもあります。

そのため、日時と名前を受け付けるだけの仕組みでは足りませんでした。

予約、キャンセル、利用回数、キャンセル待ちが、それぞれの業務ルールに沿って動く必要があります。この複雑さが、自分に合う予約システムを用意するうえでの課題でした。

業態によっては、もっとシンプルな予約受付で足りるかもしれません。その場合は、自作を前提にせず、既製サービスで必要な仕事をどこまで扱えるかを確認する方がよいと思います。

比較するときに私なら確認したいのは、月額料金だけでなく、予約件数の上限、必要機能、広告表示の有無、会員情報の受け渡し方法です。

自作した際のテストや保守の負担については、Claude Codeで予約システムを作った記事にまとめています。

会計は、取り込みを自動化しても確認を残す

会費ペイとfreee会計の連携では、会計へ情報が取り込まれることを確認しました。口座やカードの情報も、記帳の入口として利用しています。

ただし、取り込まれた情報があることと、会計処理が完了していることは別です。

内容を見て登録し、必要なら修正する。会費を前受金として管理し、サービスを提供する月に売上へ振り替える。そうした判断や月次の確認は、自分で行っています。

予約は正しく受け付けられているか、会費の手続きは合っているか、その取引をどう記帳するか。それぞれを確認する役割が残ります。

経理側の具体的な流れは、freee会計で自動化と月次確認を分けた記事で紹介しています。

開業前は、個々の操作と情報の受け渡しを確認した

準備では、それぞれの仕組みが動くかに加え、情報が次の仕組みへ反映されるかも確認しました。

確認した対象主な確認内容
会費ペイコース、規定類、支払方法・タイミングなどを設定し、操作を理解する
予約システム必要機能、管理者・トレーナー・会員の操作、CSV取込、定期処理をテストする
修正後の予約システム変更によって既存機能が壊れていないか、回帰テストを行う
freee会計との連携会費ペイからの情報が取り込まれることと、その後の処理方法を確認する

すべての使い勝手を完璧にしてから開業する、とは考えていませんでした。まず必要な仕組みを一通り揃え、稼働させることを優先しました。

残る不具合についても、手作業で回復できるのであれば、今後修正する課題として整理する考えでした。

ただし、手作業で補えることと、問題を把握せず放置することは違います。何が未完成で、どう補うかを説明できる範囲で運用を始める、という判断です。

選ぶ前に、固定費・必要機能・境目の作業を並べたい

今回の構成は、私にとって固定費を抑える選択になりました。一方で、システムを分けたことによる手作業と、自作部分の保守責任もあります。

同じように開業準備をするなら、まず次の点を並べて考えると、比較しやすいと思います。

  • 入会・支払い・予約・会計で、実際に必要な仕事は何か。
  • 想定する件数と必要機能では、どのプランになるか。
  • 月額料金以外に、決済手数料や初期費用がいくら発生するか。
  • 情報を受け渡す方法と、その作業を担う人が決まっているか。
  • 開業前に何を確認し、不具合があればどう補うか。
  • 自分で保守する範囲と、外部へ任せる範囲を続けて担えるか。

私が選んだのは、すべてを自分で作ることでも、すべてを一つのサービスへ任せることでもありません。

会費の回収や会計には既存サービスを使い、店舗固有のルールが多い予約管理は自分で用意する。その間を手作業でつなぐ構成でした。

大事だったのは、最安のツールを集めることだけではありません。費用を抑える代わりに自分が何を担うのかを把握し、入会から予約、会計までの仕事をつなげておくことでした。

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予約システムを用意するまでの判断と、会計側の運用は、次の記事で詳しく紹介しています。

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