開業前、私は月8回、週2回程度のスタンダードプランが最も選ばれると考えていました。
ある程度トレーニングに関心がある人なら、効果を期待して週2回程度は通いたいと考えるのではないか。価格と利用回数のバランスを見ても、スタンダードプランが最も合理的に映るのではないか。
そう考えていたからです。
ところが、実際に入会者のプラン選択を見てみると、想定よりも月4回、週1回程度のライトプランに偏りました。
今回は、この結果を受けても料金やプランをすぐに変更しなかった理由と、そこから気づいた自分自身の先入観について整理します。
料金プラン全体をどのように考えたかについては、以前の記事「セミパーソナルジム開業時の料金設定|通い放題にしなかった理由」で紹介しています。
最も選ばれるのは週2回だと思っていた
スタンダードプランが中心になると予想していた背景には、私自身のトレーニング経験がありました。
私は以前から週2回程度のペースでジムに通っていました。そのため、トレーニングをするなら週2回くらい通うものだという感覚を持っていました。
また、ジムを検討する人の多くは、すでに多少の運動経験があり、一定のトレーニング効果を求めているのではないかとも考えていました。
月4回のライトプランは、ジムに通ったことがない人が、まず運動習慣をつくるための入口として当初から用意していました。
ただし、私の中ではあくまで入門的な位置づけであり、中心になるのはスタンダードプランだろうと予想していました。
各プランを月4回・8回・12回に分けた考え方は、「ジムの月4回・8回・12回プランをどう分けたか」で詳しく整理しています。
想定と実際の選択にギャップが生じた
開業後、ライトプランを選ぶ人が想定より多いことが分かりました。
最初は、なぜスタンダードプランが選ばれないのだろうという純粋な疑問がありました。
スタンダードプランの料金が高すぎるのか。プランの違いが十分に伝わっていないのか。それとも、そもそも私たちが想定していた利用者像が実際と違っていたのか。
このギャップがどこから生じているのかを確認する必要がありました。
ただし、ライトプランの申込みが多いからといって、すぐに価格やプラン内容を変えようとは考えませんでした。
開業直後の少ない事例だけでは、市場全体の傾向なのか、たまたま最初の利用者に共通した傾向なのかを判断できなかったからです。
売りたいプランへ無理に誘導しなかった
スタンダードプランを強く案内したり、料金を変更したりすることも考えませんでした。
私自身は、スタンダードプランの価格には利用回数に見合う合理性があると考えていました。そのため、選ばれないからといって、すぐに値下げする必要はないと思っていました。
また、利用者が週1回から始めたいと考えているのであれば、事業者側の都合で週2回のプランへ誘導することが適切とも限りません。
確認したかったのは、どうすればスタンダードプランを売れるかではなく、なぜライトプランが選ばれているのかでした。
自分の習慣を市場の標準だと思っていた
利用者の話を聞いていくと、当初の想定よりもジム未経験者が多く、年齢層も少し若い傾向がありました。
特に聞かれたのは、週2回通い続けられるか分からないという不安です。
トレーニング経験がない段階では、週2回の方が効果を期待できそうかということよりも、まず無理なく継続できるかどうかの方が重要だったのだと思います。
私にとって週2回は自然な頻度でした。しかし、それは市場の標準ではなく、私自身の経験から生まれた感覚にすぎませんでした。
自分が普段利用している頻度を基準にすると、初めて利用する人にとっての心理的な負担を見落とす可能性があります。
競合ジムが高頻度のプランだけでなく、週1回程度から始められるプランも用意している理由も、実際の利用者の選択を見たことで理解しやすくなりました。
人気のプランに合わせて訴求を変える
ライトプランが多く選ばれるのであれば、ライトプランそのものを問題と捉える必要はありません。
むしろ、未経験者が始めやすい入口として設計したプランに、実際の需要があったと考えることもできます。
本当に市場がライトプランを望んでいるのであれば、プラン構成を変えるのではなく、ライトプランを入口として積極的に訴求する方法もあります。
その場合でも、最初から一つのプランへ決め打ちするのではなく、異なる訴求を比較し、どのような人が反応するのかを確認する必要があります。
商品そのものに問題があるのか、商品の見せ方が市場と合っていないのかは、分けて考えるべきだと感じました。
少ないデータは結論ではなく、次の仮説になる
開業直後の少ない申込みだけを見て、価格やプランを頻繁に変更すると、何が選択に影響したのか分からなくなります。
一方で、少ないデータだからといって無視してよいわけでもありません。
想定と違う選択が起きたときは、すぐに商品を変えるのではなく、まず利用者の経験、生活、継続への不安などを確認する。そのうえで、プランを変えるのか、案内方法を変えるのか、もう少し観察するのかを判断する必要があります。
今回の経験から、最初に疑うべきだったのは料金設定ではなく、自分自身が持っていた利用者像でした。
市場の反応は、事前の想定が正しかったかを採点するものではありません。次に何を確かめるべきかを教えてくれる材料なのだと思います。
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ライトプランが多く選ばれた結果を、当初の料金方針と利用回数の設計にさかのぼって確認すると、想定と実際の選択にギャップが生まれた背景を整理できます。



