広告費に見合う体験予約があるのか。どの媒体が入会につながり、次にどこへ予算を配分すればよいのか。
小さな店舗を開業するにあたり、私はそれを判断するための情報を集めたいと考えていました。
そのために使ったのが、Search Console、GA4、Microsoft Clarityなどの解析ツールと、体験予約・入会時の記録です。
検索で見つけてもらえているか。サイト上でどのように操作されているか。申込みの後、実際に来店・入会したか。
これらを合わせて見れば、広告の使い方を考える材料になります。ただし、ツールを入れたからといって、どの広告が効いているかをすべて判断できるわけではありませんでした。
今回は、設定画面の詳しい操作ではなく、私が何を知るために計測し、どの情報を広告判断に使っていたかをまとめます。
知りたかったのは、アクセス数より広告費の使い道だった
私が知りたかったのは、主に次の三つです。
- 広告費に見合う体験予約があるか
- どの媒体が来店や入会につながっているか
- どの媒体へ、どのくらいの予算を投じるか
アクセス数を増やすこと自体が目的ではありませんでした。
多くの人がページを見ても、体験予約につながっていなければ、その理由を考える必要があります。一方、アクセス数が少なくても、実際の来店や入会につながっている接点は大切にしたいところです。
そこで、広告やホームページの数字だけで完結させず、店舗側で受け付けた予約や、入会時の情報も合わせて考えることにしました。
集客の入口から予約までの準備については、店舗開業の集客準備をまとめた記事で整理しています。今回は、その流れをどう確認するかという話です。
検索・流入・閲覧行動を、それぞれ別のツールで確認する
私が見ている情報を役割で整理すると、次のようになります。
| 確認するもの | 主に見ている情報 | 知りたいこと |
|---|---|---|
| Search Console | 表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位、検索語句 | Google検索でどう見つけられているか |
| GA4 | 流入元や、予約に関連するページ・イベントの情報 | どの経路でサイトへ来たか |
| Clarity | 訪問の状況、レコーディング | サイト上でどこを見て、どう操作したか |
| 体験予約の管理表 | 申込内容、予約日時など | 店舗で対応する予約は何件あるか |
| 入会時の登録情報 | 店舗を知ったきっかけなど | 入会した人が何を接点として挙げているか |
それぞれ、確認できる範囲が違います。
Search Consoleでは、Google検索での表示やクリックを見ています。広告全体の成果ではなく、検索から店舗のサイトが見つけられているかを確認するための情報です。
GA4では、サイトへの流入元などを確認します。ただし、最初の訪問について見るのか、そのときの訪問について見るのかなど、項目によって意味が変わります。
私は、表示された媒体名を見て終わりにするのではなく、「何を集計した数字なのか」を確かめながら使う必要があると考えています。
詳しい説明は、Search Consoleの検索パフォーマンスと、GA4のチャネル分類で確認できます。
Clarityでは、数字の向こうにある動きを見たかった
特に関心があったのは、Clarityのレコーディングでした。
LPやホームページを見ている人が、どのあたりまで読み、どこをクリックし、どのように予約へ進むのか。それを、ページ上の動きとして確かめたかったからです。
申込みにつながる操作を見て、「よしっ!」と思うこともあります。
どの経路から来たアクセスなのか。再訪の様子はあるのか。確認できる範囲の情報を見ながら、どのような接点が予約につながるのか、自分なりの感覚を蓄積したいと思っていました。
ただし、レコーディングは利用者の端末全体を撮影した映像ではなく、サイト上の操作などを再現する仕組みです。取得できる範囲やマスキングにも制約があります。
また、操作が見えたことと、その人の気持ちが分かったことは同じではありません。
ある場所で止まっていても、関心を持って読んでいるのか、別の用事で離れているのかまでは断定できません。
クリックやスクロールは、改善の仮説を考える材料として扱っています。
仕組みについては、MicrosoftのClarity公式FAQも参考になります。
情報量が多いGA4は、AIとの壁打ちにも使った
GA4には多くの情報があり、画面を開けばすぐに判断できるわけではありませんでした。
私はHYPDを試し、その後もGA4のデータをChatGPTとの壁打ちに使っていました。
HYPDの詳細は公式ホームページを参照しました。
知りたいことを言葉にし、どのデータを見ればよいか、そこから何が言えそうかを整理するためです。
ただし、AIへ分析を依頼しても、もとの計測情報が足りなければ、分からないものは分かりません。
流入元の記録が不十分な場合や、比較する期間が違う場合まで、自動で正しい結論になるわけではありません。
私にとってAIは、広告の配分を代わりに決めるものではなく、確認すべき点や仮説を整理するための相手でした。
Web上の申込みと、店舗での予約確定は同じではない
体験予約は、会員向けの予約システムとは別に、スプレッドシートで管理しています。
申込みを受け取った後、店舗から返信して予約を確定する流れです。
予約枠を確認したり、希望する時間帯について相談したりする場合があるため、申込みの送信だけで確定とはしていません。
リマインドメールは自動送信する一方、最初の返信は手作業で書いています。
時間帯の調整だけでなく、初めてのお客様と、きちんとやり取りしたいという気持ちもあるからです。
トレーナーは共有したスプレッドシートを確認し、予約日、時間、名前を把握して体験を迎えます。
このように、サイトで申込みを受け付けた後にも、店舗側で対応する段階があります。
そのため、Web上で申込完了を計測できても、それだけで予約確定、来店、入会まで分かったことにはなりません。広告の成果を考えるときも、それぞれを分けて確認する必要があります。
入会した人にも、店舗を知ったきっかけを聞く
GA4で確認したいのは、どこからサイトへ来て、体験を申し込んだかです。
ただ、私が本当に知りたいのは、その先です。
実際に来店し、入会してくれた人は、何をきっかけに店舗を知ったのか。それが分かれば、次にどの媒体へ広告費を使うかを考える材料になります。
そこで、入会時の登録でも「店舗を知ったきっかけ」を聞いています。
一方、入会しなかった人のことも知りたいと思い、体験後のアンケートにも質問を用意しました。しかし、こちらには回答が得られませんでした。
質問を用意しておけば情報が集まる、というわけではなかったのです。
そのため、現状では、体験に来た人全員のきっかけを把握できているわけではありません。入会した人の回答を、体験者全体の傾向として扱わないようにする必要があります。
今振り返ると、体験前に記入してもらうアンケートで聞く方がよかったかもしれません。これは、情報の集め方として見直したい点です。
予約に使った媒体と、店舗を知った媒体は違うかもしれない
きっかけを本人に聞きたいのは、アクセス解析だけでは見えない接点があると考えているからです。
例えば、次のような流れが考えられます。
Instagramの広告で店舗を知る。その後、近所を歩いているときに看板を見かける。さらに、自宅へ届いたチラシを見て、体験を申し込む。
これは特定のお客様について確認した行動ではなく、一つの例です。
この人がチラシのQRコードから申し込んだ場合、予約につながった入口はチラシです。
ただ、それだけで「Instagramの広告は役に立たなかった」とは言えません。最初に広告を見ていたから、看板やチラシが目に留まった可能性もあるからです。
反対に、Instagramからのアクセスが多くても、それだけで「入会につながる広告だ」とも判断できません。
私が知りたいのは、単にどの媒体からサイトへ来たかではなく、どの接点が予約や入会を後押ししたかです。
ただし、それをすべて正確に追うことはできません。だから、ツールで分かる流入元と、入会者が答えたきっかけを、両方とも判断材料にしています。
チラシとWeb広告を併用した際も、この切り分けには難しさを感じました。初期の費用と反応については、チラシとWeb広告を併用した経験にまとめています。
広告費の配分は、一つの数字だけでは決めない
では、集めた情報をどう広告の判断につなげるのか。
まず確認したいのは、広告を出した後にサイトへの訪問があり、そこから体験の申込みがあるかです。申込みがあれば、実際の来店や入会につながったかも確認します。
例えば、アクセスはあるのに申込みが少なければ、広告費を増やす前に、ページの内容や予約までの進み方を見直す余地があります。
Clarityで操作を見ることは、その手がかりになります。ただし、途中でページを離れた理由までは分かりません。「料金を見て離れたから高すぎる」といった結論は、操作の記録だけでは出せないのです。
広告費を変えた場合も同じです。アクセスが増えたかだけでなく、予約や入会にも変化があったかを見る必要があります。
その際、同時にチラシを配ったり、キャンペーンを変えたりしていれば、何が影響したのかは分かりにくくなります。
効果を確かめるなら、ほかの条件をなるべくそろえ、変更した内容とその後の反応を比べたいと考えています。
まだ、最適な広告配分が分かったわけではありません。
少ない予約件数だけで媒体を切ったり、アクセス数だけを見て予算を増やしたりせず、分からないところは判断を保留する。それも、計測を続ける中で必要な姿勢だと思っています。
数字と閲覧行動を見ながら、自分の判断の軸を育てる
私が解析ツールを使うのは、数字を眺めるためではありません。
どの広告から人が来て、何を見て、体験を申し込み、その後どうなったか。それを少しずつ確かめ、広告費の使い方を考えるためです。
Clarityで申込みへ進む動きを見ると、素直にうれしくなります。一方で、その一件だけで広告の成功を判断することはできません。
アクセス解析で分かること。予約管理で分かること。入会した人に聞いて初めて分かること。それぞれを合わせて見る必要があります。
一度の分析で正解を出すよりも、判断の根拠を少しずつ増やしていく。
私にとって広告効果のモニタリングは、そのための取り組みです。
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