ジムの料金プランを考えるとき、月額をいくらにするかと同じくらい重要だったのが、月に何回通ってもらうかでした。
私たちは開業準備の段階から、通い放題ではなく、月ごとに利用回数を決める方式を前提にしていました。以前通っていたジムの通い放題プランも比較しましたが、今回つくる店舗では回数制を選びました。
ただ、月4回・8回・12回という区分を、価格や店舗の受入可能人数から逆算したわけではありません。
先に考えたのは、利用者にどのようなペースで通ってもらいたいか。その後に、各コースの価格を設定しました。
料金設計全体や通い放題を見送った理由は、「セミパーソナルジム開業時の料金設定|通い放題にしなかった理由」でまとめています。今回は、その中でもコースの回数を決めた考え方に絞ります。
月4回・8回・12回は、週1回・2回・3回の目安だった
コースを分ける出発点は、週にどのくらい通うかでした。
週と月はぴったり対応するわけではありませんが、週1回・2回・3回程度という通い方を、月単位のプランに置き換えたのが月4回・8回・12回です。
それぞれに、異なる役割を持たせました。
月4回:まず運動習慣をつくりたい人
月4回は、これから運動を始める人が、まず週1回程度の予定を生活に組み込むためのコースです。
最初から高い頻度を求めるより、まず無理なく通う習慣をつくってもらいたいと考えました。
回数が少ないコースを、単に安い入口として置いたわけではありません。「運動を始める」という段階に合う選択肢として設計しています。
月8回:定期的なトレーニングを続けたい人
月8回は、週2回程度を想定したコースです。
トレーニングする日と休む日を組み合わせながら、定期的に取り組んでもらうことを考えました。
これは、すべての人に週2回が最適だという意味ではありません。今回のサービスを設計するうえで、継続的なトレーニングと休養のバランスを考えたとき、中心となる通い方として位置づけたものです。
月12回:運動習慣があり、頻度を増やしたい人
月12回は、すでに運動習慣があり、さらにトレーニングの頻度を高めたい人を想定しました。
初心者にも最初から多く通ってもらうためのコースではなく、より高い頻度を希望する人に選択肢を用意するという考え方です。
このように、回数の違いを、利用者が運動に取り組む段階や希望の違いとして整理しました。
「いつでも行ける」を、生活の中の予定に変えたかった
通い放題には、回数を気にせず利用できる魅力があります。
一方、私が気になったのは、入会直後に意気込んで何度も通い、その後ぱたっと来なくなってしまうような通い方です。それが退会につながるのではないかと懸念していました。
これは、今回の店舗でその結果を検証できたという話ではありません。開業前にプランを考えたときの懸念です。
継続をコンセプトにするなら、通えるだけ通ってもらうことより、一定の頻度を生活に組み込んでもらう方が合っているのではないか。
できれば、毎週ある程度決まった曜日と時間に予約を入れ、「この時間はトレーニング」と考えてもらいたいと思いました。
回数制にすれば自動的に習慣ができるわけではありません。それでも、月の利用回数が決まっていれば、予定を立てる目安にはなります。
私たちが料金プランに持たせたかったのは、お得感だけでなく、通い方を考えるための役割でした。
コースの回数と、事業として成立する価格は分けて考えた
月4回・8回・12回という区分を決める際、店舗の受入可能人数は直接の基準にしていません。価格も、コースを決めた後に設定しました。
ここは、サービス設計と収支確認を分けて考えた部分です。
まず、どのような人に、どのようなペースで通ってもらいたいかを整理する。そのうえで、そのサービスを提供し続けられる価格を考える。
価格から回数を逆算する方法もあると思います。しかし、今回は継続というコンセプトからコースをつくり、その後に価格を設定する順番を選びました。
通い放題を一時的なキャンペーンとして使う余地はあるかもしれません。ただし、恒常的なプランとしては採用しない考えです。期間限定の施策と、普段のサービス設計は分けて考えています。
料金表は、通い方を伝えるものでもある
月4回・8回・12回という数字だけを見ると、単なる回数違いの料金表に見えます。
しかし、私たちが考えていたのは、まず運動を始めたい人、定期的に続けたい人、すでに習慣があって頻度を増やしたい人に、それぞれ合う選択肢を用意することでした。
料金プランをつくるとき、最初に金額を置くと、その価格で何回提供できるかという発想になりやすいと思います。
今回は、その前に「どのように通ってもらいたいか」を考えました。
この設計が実際の継続につながるかどうかは、今後の運営で確認していく必要があります。それでも、価格を決める前に通い方を決めたことで、各コースを用意した理由は明確になりました。
料金表をつくることは、金額を並べるだけでなく、利用者に提案する通い方を言葉にすることでもありました。
